加脂剤とは
加脂剤は、革に油を入れる工程(加脂)で使う油剤類の総称です。革に柔軟性や触感、耐水性などを与えるために使われ、界面活性剤成分と中性油の乳化混合物でできています。
出典: 日本皮革産業連合会
革に油を入れる工程で使う油剤
加脂は「革に油剤を施す作業」。柔らかさや手ざわり、光沢、耐水性など、用途に合った性質を革に持たせるのが目的です。出典:皮革用語辞典そこで使う油剤をまとめて加脂剤と呼びます。中身は界面活性剤と中性油を乳化させた混合物で、ミセルという小さな粒をつくっています。出典:皮革用語辞典
一般的なのは、油剤を水に混ぜたエマルションにして、ドラムの中で革と一緒に回しながら入れていく方法です。これを乳化加脂といいます。出典:皮革用語辞典
原料には動物油・植物油・石油製品が使われる
原料の油は幅広く、植物油ならひまし油・パーム油・菜種油、動物油なら牛脚油・羊毛脂・牛脂・豚脂・ミンク油・魚油が使われます。流動パラフィン・スピンドル油・マシン油などの石油製品も原料です。出典:皮革用語辞典市販の加脂剤は一種類だけのことは少なく、狙った効果が出るよう、いくつかを配合しています。出典:皮革用語辞典
手入れ用品の成分表示にも、同じ名前が出てきます。HERZ のミンクオイルなら、主成分は流動パラフィン、動物性油脂、ろうです。出典:HERZ
手入れ用品を「加脂剤」と呼ぶ例もある
Leather Master のレザーヴィタールは、まさに「加脂剤」をうたう商品です。乾いて硬くなった革に潤いを与え、本来の風合いに戻します。出典:Leather Master
革は水分や油分が減ると硬くなり、きしむ音が出ることもあります。ただ塗りすぎるとべたつくので、薄く塗っては重ねるのがコツです。出典:Leather MasterHERZ のミンクオイルは動物性のオイルで、油分が強いのが特徴。革を柔らかくする働きが大きいそうです。出典:HERZ
メーカーごとの案内の違い
| メーカー | どういう物として売っているか | 使いすぎについて書いていること |
|---|---|---|
| Leather Masterレザーヴィタール 250ml | 乾燥して硬くなった革に潤いを与える加脂剤 | 塗りすぎるとべたつきが出るので、薄く塗ることを繰り返す |
| HERZミンクオイル(OIL-MINK) | 油分が強く、革を柔らかくする動物性オイル | 油分過多でうまく経年変化しなくなったり、型崩れの原因になることがある |
よくある質問
- 加脂剤を使う前にすることはありますか?
まず汚れを落としておきます。そのうえで必ず目立たないところで試し、革が傷まないのを確かめてから使ってください。出典:Leather Master
- オイルを塗ると見た目はどう変わりますか?
色味が増します。塗ったあとは乾拭きして、余分な油を落としておきます。出典:HERZ
出典
- 日本皮革産業連合会「皮革用語辞典「加脂」」↗(2026-09-27 確認)
引用した記載 2件
- 「革に油剤を施す作業。この作業の主な目的は、革に目的に応じた柔軟性、触感、光沢、耐水性などの物性を付与することである」
- 「油剤(加脂剤)を水性エマルションの形で、ドラム中で革とともに回転しながら施す方法」
- 日本皮革産業連合会「皮革用語辞典「加脂剤」」↗(2026-09-27 確認)
引用した記載 4件
- 「加脂の目的に使用する油剤類の総称」
- 「結合した界面活性剤成分と中性油(室温で液体のトリグリセライド、天然油や石油系合成油)の乳化混合物でミセルを形成している」
- 「原料油として、ひまし油、パーム油、菜種油などの植物油、牛脚油、羊毛脂、牛脂、豚脂、ミンク油、魚油などの動物油及び流動パラフィン、スピンドル油、マシン油など石油製品などが使用されている」
- 「市販の加脂剤は、単独組成の物は少なく、目的の効果が得られるように種々の加脂剤を配合している」
- Leather Master「レザーヴィタール 250ml」↗(2026-09-27 確認)
引用した記載 5件
- 「乾燥して硬くなった革に潤いを与え、革本来の風合いにする加脂剤です。」(Leather Master レザーヴィタール)
- 「革製品の水分や油分が少なくなると革が硬くなったり、きしみ音を生じることが有ります。」(Leather Master レザーヴィタール)
- 「塗りすぎるとべたつきが出てしまうので、薄く塗ることを繰り返すように塗布します。」(Leather Master レザーヴィタール/推奨)
- 「本品を使用する前に革製品の汚れを除去します。」(Leather Master レザーヴィタール/必須)
- 「使用前には必ずプレテストを行い革製品に傷がつかないことを確認してください。」(Leather Master レザーヴィタール/必須)
- HERZ「ミンクオイル(OIL-MINK)」↗(2026-09-27 確認)
引用した記載 5件
- 「主成分:流動パラフィン、動物性油脂、ろう」(HERZ ミンクオイル)
- 「動物性オイルの為、油分が強いのが特徴です。」(HERZ ミンクオイル)
- 「塗りすぎてしまうと、油分過多になりうまく経年変化しなくなってしまったり、革が柔らかくなりすぎて型崩れの原因になることもあるので、調節しながらお使いください。」(HERZ ミンクオイル/控える)
- 「オイルを塗ると、色味が増します。」(HERZ ミンクオイル)
- 「その後乾拭きして、余分な油を落とします。」(HERZ ミンクオイル)