エイジングとは
エイジングは、革を一定期間置くことで起こる穏やかな化学的・物理的な変化です。経年変化とも呼ばれ、色が濃くなる、風合いが均一になるといった形で表れます。
出典: 日本皮革産業連合会
置いておく間に起こる、穏やかな変化
辞典での定義は「鞣剤や皮革製品を一定期間放置することによって穏やかな化学的や物理的変化を生じさせること」。出典:皮革用語辞典何かを加えるのではなく、時間をかけて起こる変化を指す言葉です。
じつは製品になる前から、エイジングは始まっています。植物タンニン鞣しでは、鞣した直後に寝かせることで、繊維の間のタンニン分子が落ち着いていきます。出典:皮革用語辞典
色が濃くなるのは、油分が酸化して反応するから
製品になった革では、加脂剤が少しずつ酸化します。その酸化でできたものがタンニン分子や革と反応して色が濃くなり、味わい深い革に変わっていきます。出典:皮革用語辞典変わるのは色だけではありません。繊維の表面に偏っていた中性油が時間とともに均一に広がり、風合いもそろっていきます。出典:皮革用語辞典
日光による色やけは、別の項目になっている
似た言葉に「色やけ」があります。こちらは太陽光線や蛍光灯の光、主に紫外線によって、仕上げの塗膜や染めた革が黄ばんだり、茶色くなったり、色が抜けたりする変色のことです。出典:皮革用語辞典辞典では、エイジングと色やけは別々の項目で、説明もそれぞれ違います。出典:皮革用語辞典
目の前の色の変化がどちらなのかを言い当てる方法は、ここで挙げた資料には書かれていません。判断がつかないときは、買った店やメーカーに現物を見てもらってください。
手入れ用品によって、色の変わり方への向き合い方が違う
色の変化を、手入れ用品の側から考えているメーカーもあります。SLOW の maintenance oil は、革に養分をいきわたらせることに重点を置いた配合です。出典:SLOW自社のレザーはどれも自然な経年変化が特徴なので、それを邪魔しないよう、革の色が変わりにくいクリームにしているそうです。出典:SLOW
よくある質問
- クロム鞣しの革にもエイジングはありますか?
あります。クロム鞣しの革では、エイジングで耐熱性が上がります。クロム鞣剤どうしの間に新しい架橋ができ、より固く結びつくためと考えられています。出典:皮革用語辞典
- エイジングは革だけの言葉ですか?
鞣剤にも使います。クロム鞣剤の水溶液を長く置いておくと、加水分解などの変化が起きて、浸透性などが良くなります。出典:皮革用語辞典
出典
- 日本皮革産業連合会「皮革用語辞典「エイジング」」↗(2026-09-27 確認)
引用した記載 7件
- 「鞣剤や皮革製品を一定期間放置することによって穏やかな化学的や物理的変化を生じさせること」
- 「鞣し直後のエイジングによって、繊維間においてタンニン分子の安定化が図られる」
- 「製品革では、加脂剤が徐々に酸化され、酸化生成物およびそれらとタンニン分子や革との化学反応によって濃色化し、味わい深い革になる」
- 「時間の経過に伴って皮革繊維表面上で局在する中性油が均一に広がっていくことによって、皮革製品の風合いが均一になり」
- 「エイジングによって耐熱性が向上する要因として」
- 「クロム鞣剤同士で新たな架橋が生じてさらに固く結合するようになるためと考えられている」
- 「水溶液を長時間放置すると加水分解など化学的変化が生じることによって浸透性などが改良される」
- 日本皮革産業連合会「皮革用語辞典「色やけ」」↗(2026-09-27 確認)
引用した記載 1件
- 「太陽光線や蛍光灯の光(主として紫外線)によって、仕上げ塗膜や染色革が」
- SLOW「maintenance oil」↗(2026-09-27 確認)
引用した記載 2件
- 「革に養分をいきわたらせることに重点を置いた配合となっています。」(SLOW maintenance oil)
- 「その自然な経年変化を邪魔しない、革の色が変わりにくいクリームです。」(SLOW maintenance oil)