シーズンオフの革の保管
冬物をしまう衣替えの時期は、革製品にとって長い休みの始まりです。汗じみや皮脂汚れが残ったままだと、しまっている間にカビが生える原因になります。出典:Liugoo Leathersしまう前のひと手間と、しまい方で、次のシーズンの状態が変わります。
この記事のポイント
- しまう前にブラシで汚れを落とし、十分に乾かしてからしまいます。
- 袋は不織布に。出典:土屋鞄ビニール袋は変質や癒着の原因になります。
- 革ジャンは太めのハンガーに掛け、畳んでしまわない。出典:DEGNER
このページの本文は、ケア用品メーカーとブランドが自社サイトに公開している記載だけを根拠にしています。 どの文がどの資料によるかは、ページ下部の出典から確認できます。
しまう前に、汚れを落として乾かす
去年しまった革ジャンを出したら、白っぽいものが浮いていた。そんな経験はありませんか。まずはブラシで、表面の汚れを落とします。出典:土屋鞄汗じみや皮脂汚れは、しまっている間にカビを呼ぶ原因です。手入れのあとすぐにしまうと、それ自体がカビの栄養になるので、十分に乾かしてからにしましょう。出典:Liugoo Leathers
シーズンの終わりに油分を補う。ただし薄く
DEGNER は、レザージャケットの油分補給のタイミングを「シーズンが終わったら」と決めています。回数の目安は年に1〜2回です。オイルは薄く。多すぎると、それがカビの原因になります。出典:DEGNERLiugoo Leathers の目安は「うっすら光るくらい」。塗りすぎるとベタつきやカビにつながるそうです。
ビニール袋は使わない。不織布の袋に入れる
土屋鞄は、ほこりや思わぬ傷から守るため、自社の製品は買ったときの不織布の袋に入れて保管するよう案内しています。反対に、ビニール袋は使わないでください。通気性が悪いうえ、塗料や塗膜に反応して、変質や癒着を起こすことがあります。出典:土屋鞄
合成皮革も同じで、ビニール袋や通気の悪い箱、押入れの奥にしまうと、表面の樹脂の加水分解が一気に進みます。出典:コロニル防虫剤は、革に触れたままだと革が変質します。同じ袋には入れないこと。出典:土屋鞄エナメルも、防虫剤が直接触れない場所に置くようコロニルは書いています。
もうひとつ気をつけたいのが色移りです。土屋鞄製造所によると、ほかの素材と触れた状態でしまっておくと、色が移ることがあります。
革ジャンは、太めのハンガーと不織布のカバーで
DEGNER のおすすめは、太めのハンガーに掛けて、不織布のカバーをかけておく方法です。細いワイヤーのハンガーだと、肩に跡がつきやすくなります。畳んでしまうのは、DEGNER がはっきり「いけない」としているやり方です。厚みのあるハンガーで型崩れを防ぐのは、Liugoo Leathers も同じ考えです。
ブーツは湿気がこもりやすい。3つの道具でしまう
ロングブーツや、ムートン・スエードのような起毛のブーツは、中に湿気がこもりがちです。対策をしないと、カビなどのダメージにつながります。出典:コロンブス冬のブーツをしまうとき、コロンブスは3つの道具を勧めています。防カビ剤(レザーキュア カビ用ミスト)、乾燥剤(シュードライミニ)、ブーツキーパーロングです。
ブーツキーパーは内蔵のスプリングで革をほどよく伸ばし、折れやすい足首の部分も支えてシワを防ぎます。乾燥剤は開封後およそ6か月もつので、春から秋口までの長い保管に向いています。出典:コロンブス
しまう場所は、日が当たらず風が通るところ
置き場所の条件は、直射日光が当たらず、風通しがよいこと。出典:DEGNER土屋鞄は照明の光にも注意を促しています。光や熱にさらされると、日焼けや劣化につながるからです。Liugoo Leathers によると、直射日光は革を硬くし、色も抜けさせます。
土屋鞄製造所も、高温・多湿・直射日光を避けた風通しのよい場所を求めています。形を整えてからしまうのは、Liugoo Leathers の案内です。
しまいっぱなしにせず、ときどき空気に当てる
クローゼットにしまうなら、1〜2か月に一度は出して空気に触れさせると、清潔に保てます。出典:DEGNERコロニルも、空気が動かない押入れの奥などに長く置かず、ときどき外に出して日陰で干すよう勧めています。エナメルも同じく、定期的に外気に当てるのがよいそうです。
クローゼットに湿気取りを置いて、ときどき様子を見る。Y'2 LEATHER が勧める湿気対策です。そもそも、定期的に使うこと自体が手入れになる、というのが Liugoo Leathers の考えです。
ブライドルレザーに白い粉が浮いていたら
ブライドルレザーは、夏や冬の冷暖房による急な温度変化で、表面に白いロウの粉が浮くことがあります。指や柔らかい布で擦り込めば元に戻ります。出典:土屋鞄COCOMEISTER も、しまっている間にブルームがまた出てくることがあるとし、乾拭きや軽いブラッシングで整えるよう案内しています。
久しぶりに使う前に、乾いていないか確かめ、防水スプレーをひと吹き
長く手入れしていなかった靴は、中の水分や油分が抜けて乾いていることが多いもの。そのまま履くと割れるおそれがあるので、柔らかさを戻すクリームで手入れしてから履きます。出典:M.MOWBRAY久しぶりに出したアイテムには、あらためて防水スプレーを。防水・防汚の効果を保てます。出典:コロニル
カビが生えていたときの対処や、ひび割れの原因と防ぎ方は、それぞれ別の記事で扱っています。
まとめ
汚れを落として乾かしたら、ビニール袋は避けて、日の当たらない風通しのよい場所へ。しまったあとも、ときどき出して空気に当てましょう。次に出すときは、防水スプレーをかけ直してから使い始めます。出典:コロニル
シーズンオフの保管、メーカーごとの案内
| メーカー | 入れるもの・掛け方 | しまう場所 | しまっている間 |
|---|---|---|---|
| 土屋鞄 | 不織布の袋(同社の製品)。ビニール袋は使わない | 直射日光や照明が当たらないところ | 記載なし |
| DEGNER | 太めのハンガーと不織布カバー。畳まない | 直射日光の当たらない、風通しのよい場所 | 1〜2か月に一度空気に触れさせる |
| Liugoo Leathers | 厚みのあるハンガー | 高温多湿を避けた、通気のよい場所 | 定期的に使う |
| コロニル | 記載なし | 空気が動かない奥に長くしまわない | 定期的に外に出して日陰で干す |
| Y'2 LEATHER | 記載なし | 風通しのよい場所。クローゼットなら湿気取りを置く | ときどき状態を確かめる |
| コロンブス | ブーツはキーパーで形を保ち、乾燥剤と防カビ剤を使う | 記載なし | 記載なし |
| 土屋鞄製造所 | ほかの素材と接しないように(色移り) | 高温・多湿・直射日光を避けた、風通しのよい場所 | 記載なし |
この記事に出てくる素材とブランド
出典
- 土屋鞄「革のメンテナンス 03. 大切に使うための、正しい保管」↗(2026-10-04 確認)
引用した記載 5件
- 「保管する前に、まずはブラシを使って汚れを落とします。」(推奨)
- 「ほこりや予期せぬ傷を避けるため、製品が包まれていた不織布の袋に入れて保管します。」(土屋鞄の革製品/推奨)
- 「ビニール袋は通気性が悪いうえに、塗料や塗膜などに反応して変質・癒着の原因に。使用しないようにしましょう。」(使用不可)
- 「防虫剤は革に触れたままにすると、革が変質を起こします。同じ袋に入れないようにしましょう。」(控える)
- 「また置く場所は、直射日光や照明などをできるだけ避けて。光や熱にさらされると、革の日焼けや劣化につながります。」(控える)
- Y'2 LEATHER「メンテナンス」↗(2026-10-05 確認)
引用した記載 1件
- 「湿気対策としましては長い間着用が無い場合、風通しの良い場所に保管頂き、クローゼットの中ですと湿気取りなどを置いて適度に状態を確認して下さい。」(推奨)
- DEGNER「必見!誰でもできるレザージャケットのお手入れ方法!」↗(2026-10-03 確認)
引用した記載 8件
- 「「シーズンが終わったら、油分を補給する」」(DEGNER レザージャケットのお手入れ方法/推奨)
- 「目安は、年に1~2回程度。」(DEGNER レザージャケットのお手入れ方法)
- 「薄塗りを心掛けてください。オイルが多すぎるとカビの原因になります。」(推奨)
- 「シーズンオフの時期は、レザージャケットを太めのハンガーに掛け、不織布カバーに掛けて保管しましょう。」(推奨)
- 「細いワイヤーのものだと、ハンガーの跡がジャケットにつきやすくなります。」
- 「くれぐれも畳んで保管してはいけません。」(使用不可)
- 「保管場所は、直射日光の当たらない、風通しのよい場所がおすすめです。」(推奨)
- 「クローゼットで保管する場合は、1~2カ月に一度空気に触れさせると清潔に保つことができます。」(推奨)
- Liugoo Leathers「【革ジャンを一生モノにするために】日々のお手入れからシーズンオフまで、スムースレザーの正しいケアを解説」↗(2026-10-03 確認)
引用した記載 7件
- 「汗染みや皮脂汚れが残っていると、保管中にカビが生える原因になります。」
- 「そのまますぐに保管してしまうとカビの栄養分になってしまいますので、十分に乾かして下さい。」(推奨)
- 「また、塗りすぎはベタつきやカビの原因になるので、「うっすら光るくらい」が目安です。」
- 「ハンガーは厚みのあるものを使い、型崩れを防ぎます。」(推奨)
- 「最後に形を整えてから高温多湿を避け、通気の良い場所で保管して下さい。」(推奨)
- 「直射日光はNG(革が硬化・退色します)。」(使用不可)
- 「革製品は定期的に使用することでお手入れにもなります。」
- 土屋鞄製造所「ディアリオ ハンドウォレット」↗(2026-09-29 確認)
引用した記載 2件
- 「高温・多湿・直射日光を避けた、風通しの良い場所で保管してください。」(土屋鞄製造所の革製品(鞄・小物)/必須)
- 「他の素材と接した状態で保管していると、色移りする可能性がありますのでご注意ください。」(土屋鞄製造所の革製品(鞄・小物)/控える)
- コロニル「革製品のカビ予防と対処方法」↗(2026-10-04 確認)
引用した記載 1件
- 「クローゼットや押入れの奥など、空気が動かない場所での長期間の保管は避け、定期的に外に出して風通しの良い日陰で干すようにしましょう。」(控える)
- コロニル「合成皮革のお手入れ方法」↗(2026-09-30 確認)
引用した記載 1件
- 「合成皮革の樹脂コーティングは湿気に弱いため、ビニール袋や通気性の悪い箱の中、押入れの奥などで保管すると加水分解が急速に進行してしまいます。」(控える)
- コロニル「エナメルのお手入れ方法」↗(2026-10-04 確認)
引用した記載 1件
- 「保管時は湿気を避け、なるべく風通しの良い場所に保管し、定期的に取り出して外気に当てる、汚れをこまめに落とす、防虫剤は直接エナメルレザーに接しない場所に置くことがポイントです。」(推奨)
- 土屋鞄「革のお手入れ時間 Vol.3 BRIDLE」↗(2026-10-04 確認)
引用した記載 1件
- 「夏場・冬場は、冷暖房などによる急激な温度変化により、表面に白いロウの粉が浮き出ることがありますが、指や柔らかい布で革に擦り込むと、元の状態に戻ります。」(土屋鞄 ブライドルシリーズ)
- COCOMEISTER「ブライドルレザーの特徴と魅力」↗(2026-10-05 確認)
引用した記載 1件
- 「一枚ごとに浮き方が異なり、保管中に再び現れることもあります。乾拭きや軽いブラッシングで整えると、その奥にある革の色と質感が少しずつ顔を出します。」(COCOMEISTER のブライドルレザー)
- コロニル「防水スプレーの正しい選び方と使い方」↗(2026-09-29 確認)
引用した記載 1件
- 「また、雨に降られて防水効果を発揮した後や、久しぶりに使うアイテムにも、改めてスプレーをしておくことで、確実な防水・防汚効果を維持し続けることができます。」(推奨)
- M.MOWBRAY「革靴のひび割れ・裂け問題どうする?」↗(2026-10-08 確認)
引用した記載 2件
- 「長年ケアしていなかった靴や、雨に濡れたあと放置していた靴は、革の内部の水分や油分が抜けて乾燥していることが多いです。」(M.MOWBRAY 革靴のひび割れ・裂け)
- 「その状態のまま履くとひび割れのリスクがあるので、革の柔軟性を高めるクリームでケアしてから履きましょう。」(M.MOWBRAY 革靴のひび割れ・裂け/推奨)
- コロンブス「衣替えの季節に知っておきたい!ブーツのコンディションを保つ“3ステップ式収納ワザ”(2014年2月28日 プレスリリース)」↗(2026-10-05 確認)
引用した記載 5件
- 「ロングタイプのブーツや今季も引き続き流行したムートンやスエードなどの起毛ブーツは、内部に湿気がこもりやすいので、しっかりと対策を取らないと、カビなどのダメージを引き起こしてしまいます。」
- 「カビ予防の『レザーキュア カビ用ミスト』、乾燥剤である『シュードライミニ』、型崩れ防止用の『ブーツキーパーロング』の3商品を活用したお手入れです。」(コロンブス ブーツの収納/推奨)
- 「ブーツキーパーに内蔵されたスプリングが皮革を適度に伸張させて型崩れを防ぎます。」(コロンブス ブーツキーパーロング)
- 「保管時に折れやすい足首部分もしっかりと支えることができ、皮革のシワを予防します。」(コロンブス ブーツキーパーロング)
- 「標準有効期間は開封後約6カ月ですので、春から秋口までの長期間の保存にお使いいただけます。」(コロンブス シュードライミニ)